新型コロナウィルス感染症の流行に伴う当院からのお願い

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「ライフ・イズ・ビューティフル」

新型コロナウィルス感染症の流行は、健康への実質的な影響以上に社会的、経済的な影響を強めています。それらは心理的な不安に根差すものが大きいように感じます。不安を解消する第一歩は対象をよく見極めることですので、自分自身のためにも一度理解していることを整理してみました。

新型コロナウィルスって何なのか

ウィルスは20nm~300nm程の大きさで、生物の細胞にとりつきその中で増殖する生物とも非生物ともつかないモノです。細菌に比べてとても小さいので電子顕微鏡でしか確認できず、細菌に対するような物理的な対処(濾過など)がむずかしいです。コロナウィルス自体は、もともとヒトや家畜がもつありふれたウィルスで普通の風邪をひきおこしてきました。今回のウィルス(COVID-19)もその一種ですが過去に流行したSARSウィルス、MERSウィルスなど変異することで感染力や症状を増した種類もあります。

感染するとどうなるのか

ウィルスは細胞の中に入り込み、宿主のエネルギーと素材を使って増殖します。なので身体の免疫システムがそれを排除するには、自身の細胞もろとも攻撃しなければなりません。内戦状態となった身体は、ウィルスの増殖でその戦場が大きくなるほどに発熱や体力低下など辛い症状にみまわれます。

コロナウィルスの場合は発症すると数日~1週間ほど上気道炎症状がつづいて、一部の患者(基礎疾患のある方、高齢者は特に)は重症化します。致死率は2%程度で、インフルエンザの致死率0.1%より高く、SARSの9%、MERSの10%よりは低いといった認識です。年齢別の致死率は、中国のデータでは50代未満は0.5%を切っており、50代は1.3%、60代 3.6%、70代 8%、80代以上14.8%といった分布になっています。死亡数は、日本の3/12時点の報告によると国内 患者数554名うち死亡が15名となっております。ちなみにインフルエンザが原因で死亡する人の推計は国内で約1万人といわれていますので国内の新型コロナウィルスによる死亡者数規模は桁違いに小さいといえます。

どうやって感染するのか

人から人へと感染します。感染者の唾など体液が目鼻口など侵入しやすいところに付着しそこからウィルスが体内に入ります。具体的には、自分の手などについたものや、他者の排出した飛沫や空気中に浮遊した飛沫の粒子が吸引されるものを経由すると考えられています。

何をすればいいのか

①ウィルスを体内に入らせないようにする②入っても発症させないようにする③発症してもうつさないようにする といったふうに大別ができると思います。

①に関しては外出後、来客後、料理前、食事前などタイミングを意識した手洗いうがいを行う。

②ウィルスの侵入時に、免疫システムがしっかり対応できるよう自分の健康状態を良好に保つこと。睡眠と水分をしっかりとって、血液の循環を促すために多少は運動すると良いと思います。

③軽々しく医療機関にかかることは慎むべき時期なので、自分が発症していないかセルフチェックをしっかり行う。体調がすぐれないと思ったらはマスクをし、不特定多数の方が触るもの、くしゃみ咳など飛沫が拡散しづらく付着の可能性が高いところ(機密性および人口密度の高いところ)から自分の身を遠ざける。

最後に

多くの人が実際以上に怖れをいだくことで、社会的、経済的に混乱が増幅されます。医療者でない我々が積極的に防ぐべきはその点だと思います。人が生きることはそもそもゼロリスクではありません。インフルエンザ、交通事故、モチを食べること、タンスの角にいたるまで身の回りにはあらゆるリスクがあり、新型コロナウィルスもその一つです。振り向けられる注意力や手間に限りがありますので、ひとつのリスクに集中することは、その他の対応をおろそかにすることにつながります。だからこそ、情報を吟味して冷静に行動することが、今一般人がとれる最善のコロナウィルス対策だと思います。

「ライフ・イズ・ビューティフル」という映画があります。自分の命も危ぶまれる中で、それでも周りに笑いと優しさを示すことがいかに人間的に価値のあることかよくわかります。状況は比べるべくもないですが心にとめおきたいと思います。

自由な生活
参考サイト

厚生労働省のページ 新型コロナウイルス感染症について
世界保健機関(WHO)のページ Coronavirus disease (COVID-19) outbreak
中外製薬による特設ページ 総説 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)