院内の衛生管理について

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息が深く吸えないので苦しい

事務職 30代 女性
日中に息苦しく感じることが多くなり、先日人間ドックにいった際に検査時の深呼吸ができないことに気がついた。頭痛、肩こりもあるが背中がくすぐったいので、マッサージや整体でもあまり改善しない

書類を多く扱うお仕事をされており、勤務時間内のデスクワークがとても長く、最近いそがしくて眠る時間も短いとのお話でした。息苦しい、深く息を吸う事ができないなどの「息切れ」の症状は、呼吸器系や心臓など循環器系の疾患による可能性があります。ただ、この方は慢性的なものであること、また人間ドックの検査結果も良好で、医師からはストレスを指摘されたとのことでしたのでカイロプラクティックの観点から、身体全体を確認することにしました。

お身体の傾向としては、痩せ型で筋肉量が少ないけれど、全体的に筋肉は柔軟であるように思われました。ただし、肩があがり気味で、首の緊張が強く、肋骨も常に引き上がっており神経的な緊張感がみてとれました。詳しく検査してみると上部胸椎と肋骨の可動性低下、上部僧帽筋、胸鎖乳突筋および斜角筋の過緊張が目立っていました。

呼吸筋の動き

D.A.Neumann(2005). 筋骨格系のキネシオロジー 医歯薬出版株式会社 より

人間の呼吸は、呼吸筋による肋骨の可動と肺の拡張・収縮によって行います。主な筋肉は横隔膜(膜とありますが筋肉)ですが、補助するための筋肉として、肋骨のすきまにある肋間筋、意識的に行う場合は、息を吐く時は腹筋群、吸う時は首の骨につき肋骨を引き上げる斜角筋などがあります。この方の場合、交感神経が優位の時間が長く、斜角筋や肋間筋が常に緊張している(肩や胸が常に引き上がっている)ので常に吸気の筋肉を使用しているような状態になっています。なので、そこからさらに大きく吸う動作に困難が感じられているのではないかと判断しました。

交感神経は「難事にあたる時」に「身体を活性化」させる神経です。その逆、「身体をリラックスさせる」副交感神経とうまくバランスをとってはたらくことが人間の身体にとって、「長期的に良い」状態ですが、どちらか片方の優位な状態が長期にわたると様々な問題を生みます。この方の場合、交感神経の活動と深く結びついた筋肉群(斜角筋、僧帽筋等)の緊張状態が、肩こりを含め背部全体の過敏と、呼吸運動の機能低下となって表れたのでしょう。

施術の方針としては、緊張している個別の筋肉に対処するのではなく、交感神経をしずめ副交感神経を優位にするように背部全体の筋肉の緩和および、仙骨および頭蓋周辺の関節に対する調整としました。その後4回ほど施術を行うことで気づかなかった自身の緊張を自覚し、仕事に対する姿勢を工夫しながら、息苦しさ、深く息が吸えない、首肩まわりの緊張を解消されました。

緊張状態にあること、そしてそれがどの程度なのか、といったことは自分ではなかなか気づくことはできません。カイロプラクティックは背骨とそのまわりの筋肉にやさしくアプローチすることで、ご自身でそれを気づけるよう促します。自律神経系の問題は、程度によっては「自身が気づくだけで改善する」ことが多いと私は考えています。まつむらカイロプラクティック新宿 では、セルフチェックの仕方を含め、自律神経のバランスを重視した施術を行っております。頭痛、肩こり、腰痛だけでなく「息苦しい」「なんとなく体調がすぐれない」「うまく説明できない不調」に的確に対処いたします。

本ケースを以下にまとめます。

症状: 息がうまく吸えないので息苦しく感じる
直接原因 : 吸気補助筋(斜角筋、肋間筋)の過緊張
施術: 頭蓋・仙骨を中心とした脊柱のモビリゼーション
根本原因: 意図しない緊張姿勢の継続

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