肩甲骨のあたりが凝る

会社員(デスクワーク) 20代 男性
ここ数週間、背中、特に肩甲骨まわりが凝るような違和感がある。朝がもっともつらくて、時間がたつにつれて気にならなくなる。

背中に痛みではなく張り、凝りのような違和感が常にあるとのことでした。動作や姿勢によって変化しない痛みは、内科系疾患の疑いがあるため問診検査をしっかり行いました。体格がとても大柄の方で、検査してみたところ、背中は脊柱起立筋、広背筋、僧帽筋などの筋肉がとても大きく発達していましたが、トーン(適切な筋緊張)が低下し、筋肉自体に柔軟性、伸縮性を欠いておりました。聞くと、長年柔道をやっていたが今はやっておらず、最近は仕事が忙しく2か月程前からジム通いもできていないとのことで、思えば症状もそのあたりから始まったように思うとのこと。また体重がここ最近増えているとうかがいました。

結果として、内科的な疾患の兆候も病歴もなく、脊柱に由来する機能低下も少ないことから、背中の違和感は、背部の筋、筋膜の活動性の低下による筋肉・筋膜の硬化とそれに起因する感覚と考えました。この方の場合、従来もっている発達した筋肉の不活性と短期間内の脂肪増加により組織の循環の低下が著しく、組織の硬化を強めていると思われました。

施術は広背筋、僧帽筋等の硬化した筋膜のリリースと脊柱のモビリゼーションによる筋機能の賦活を方針として週1回の施術を行い、3回目を数えるころには違和感はほぼ消失しました。その後ジムトレーニングも再開すると筋肉の状態も大きく改善し、月1度のメンテナンスでコンディションを良好に保つことができました。

身体の後側は感覚器が少ないので、背中や腰の違和感をうまく言い表せない場合が多くあります。今回も、質問にたいして患者様がとても説明しにくそうなご様子がみてとれました。そんなときむやみ症状に焦点をあてず、症状の前後関係や患者さんの自体の歴史を聞くと見えてくるものがあります。このケースは脊柱の問題に多く由来しない、どちらかといえばカイロプラクティックが施術を得意するところ以外の箇所に原因があったので、結果としてコミュニケーションを長くとったことが幸いし施術の方針を早く確定することができました

まつむらカイロの首から背中にかけて凝りへの対処について